お正月見たテレビ番組のこと
- tomorish atelier
- 2020年1月14日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年12月10日

2020年、正月早々にとても面白い番組を観た。愛読者の高校生から届いた手紙がきっかけで母校・学習院の高校生たちと歴史作家 塩野七生 さんの対話形式による、特別授業。
父の勧めで文藝春秋の塩野さんの連載を読んでいたけれど、お顔を拝見したのは初めてで。文章と同じく、言葉も姿勢もパワーあふれる女性だった。収録の中で、紫煙をくゆらしながら語る姿がなんとお洒落で格好よかったか。
ご自身の高校時代、東大受験を失敗したとき、そもそもどうして自分は失敗したかを考えたと。大学で何を学びたいのか、そこからイタリア文学に進んだことなど、高校生からの質問に至極丁寧にまっすぐに答えられていた。
以下メモmemoメモ。
高校生に繰り返して言われていたのは、人生で役に立つ唯一のことは免疫を作ることだと。
若いうちに何度も壁にぶつかり、挫折を体験し、免疫をつけろと。
「経験」なんぞは積みきれないが、「教養を身につけること」→本を読むこと、これは何よりの武器であり、そうすることで周りのことが見えると。
将来役に立つが立たないかなんていちいち考えないで勉強する。大学卒業時にやりたいことなんてわからない方が健全で若いうちは、失敗しまくって良いから、年をとってこれしかやれることはない、と思えると。四十にして迷いまくっている自分には耳が痛い。
聞いたこと、得た情報から刺激を受け、そこからの連想が大事とも。刺激を受けた途端に反応し、好奇心となる。どの山に登るか、を考えるのではなく、先を読まずにとにかく登っていくこと。ご自身は、書いた全ての人物に惚れ込んでおり、毎回恋をしているからこんないい仕事ない!と笑われていた。文章の展開を、映画の撮影現場のカット割りから勉強したというのも興味深かった。つまり、あらゆることが学びの場と。
一方、自分が好きでないことについても、どうして好きでないかを追求し、それをわかることの大切さも語られていた。物事に対しては、狂信的が一番嫌いと。「鳥の視点」と「虫の視点」この両方の視点を常に持ち、複眼的な視点を持つとが免疫になり、これはどんな職についてもこれは大事だと。
塩野さんご自身が大事なものは、という質問には、「見苦しいことはしない」また、生きていく上で「正解なんていうものはほぼないんだからね」と高校生に語りかける姿はとても優しかった。
さて、今年は旦那からずっと勧めてもらっている、「ローマ人の物語」を読んでみよう。いや、是非とも読みたくなってしまった。塩野七生さん、格好よかったぜ。
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